日本ねじ研究協会とは?

相澤会長 年頭所感

日本ねじ研究協会
会長 相澤正己

新年あけましておめでとうございます。

昨年を顧みますと、アベノミクス効果による株高と円安が進んだことに加え、消費税増税による経済環境の変化が大きかった一年であったのではないかと思います。また、内需の拡大をもたらすはずの3本目の矢が的を射たのか、外れたのか評価が分かれるところでもあります。経済面以外の話題では、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定と青色LEDの開発者の方々のノーベル賞受賞という喜ばしい出来事もありましたが、ゲリラ豪雨、猛烈な台風、火山噴火などこれまで経験のしたことのない自然の猛威の前に甚大な災害を被ったことも忘れることはできません。

ここで我が国ねじ産業の一年を振り返ってみますと、ねじ産業への影響力が大きい需要家である自動車、機械、電機といった産業が海外での現地生産を拡大したことにより、内需の減少、現地調達率の増加などをもたらし、日本製ねじの輸出が減少に転じたことが挙げられます。このような状況下ではメイド・バイ・ジャパンの付加価値製品の供給を増やさざるを得ないことになるでしょうし、技術力の一層の強化と品質の向上、そして安定供給をもって需要家への信頼を得ていくことが大事だと確信しております。一方、成長産業として政府が掲げている航空、医療、エネルギー・環境などの分野への参入には岩盤規制といわれる大きなハードルがありますから、容易なことではありませんが果敢に挑む力、変革を求める力を醸成していくことが重要なことと思います。

さて、当協会が昨年取り組みました事業は、ねじ締結に関する最新の知見と参加各社の共同実験から得られた貴重なデータをもとに締結設計に関する研究活動を精力的に行ったことを始めとして、昨年9月に改正されましたボルト・ナット・タッピンねじ・止めねじに関する機械的性質の日本工業規格(JIS)の改正内容を解説する説明会を開催し、また4月に改正された六角ボルト・ナットのJIS改正に伴う本体規格品への切り替えガイドの作成協力と、その趣旨を理解していただく啓発・啓蒙の説明会をねじ協会との共催で実施しました。国際標準化活動では、ISO/TC1(ねじ)・ISO/TC2(締結用部品)・ISO/TC20/SC4(航空宇宙用締結システム)に係る国際規格(ISO)の回答原案の作成に加え、我が国自動車産業が多用しているフランジ付き小形六角ボルトの国際標準提案事業にも着手するなど、我が国の利益を反映させる標準化活動を着実に実施しました。また、ねじ製造・ねじ締結に関する研究論文・技術動向を紹介・提供する会報誌の会員向け電子書籍配信などの出版活動も継続して実施しました。いずれの事業も我が国ねじ産業の競争力を高めるために有用な活動であり、大学・高専の先生方を初め、自動車・電機など需要家の皆様方と一体となって進めていくことが何よりも大事なことであると認識しております。

本年も引き続き、我が国ねじ産業の技術力向上に向けて、ねじ締結・ねじ製造技術の研究と標準化の事業を推進してまいります。
今後とも会員各位のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げ、本年がねじ産業の一層の国際競争力強化につながりますように念願し、年頭のご挨拶と致します。