澤会長 年頭所感
新年おめでとうございます。
一般財団法人日本ねじ研究協会を代表して、ねじ関係者にとっていい年でありますようお祈り申し上げます。
日本ねじ研究協会は今年も更なる飛躍の年にしたいと念じております。研究団体として研究を基盤として、学術研究力と技術力の向上により各種産業への貢献を目指すことが定款に述べられており、このために標準化をはじめ各委員会の活発な活動と進展を目指し、学術研究力と技術力の向上を常に目指します。椿省一郎前会長の指示もあり、日本学術会議の「協力学術研究団体」の称号の指定を受けるべく準備をしておりますが、本年中には申請を考えております。
この称号は 2005 年から開始されており、当初と最近の申請条件がいくつか変更されています。まず活動は研究者による自主性に重きが置かれています。研究者の定義は大学や研究機関の研究に従事する者を含め企業でも研究開発に従事する者を指しています。第二の条件は、この研究者が協会の個人会員として最低100名以上の内50%以上在籍していることです。当初に比べて、強く業界団体の運営と方向性の差異が強調され、研究団体の運営を強く要求しているようです。この点の評価が心配です。現在個人会員数はもう少しで 100 名に到達ですが、まだ予断は許されない状況です。
第三の大きな要求条件は、研究論文集を毎年定期的に発刊していることです。講演会の講演論文集及び会誌でもいけません。この論文集発刊が重荷ですが、2023 年には第1巻として No.1 と No.2 を発刊しました。2024 年前半に第2巻、No.3 号を発刊したいところです。未だ論文数は少ないのですが、今後研究を行う研究者と論文を投稿できる者を増やすことが必要です。称号指定制度の当初は論文集の発刊が少なくとも3年継続が条件でしたが、最近はこの文言が取れて、やや緩和されているようです。そのためこの条件も何とかクリアできるものと推測しています。時間がかかるでしょうが、やがて投稿論文数が増えれば論文集も充実し、成果が産業界へ少なからずの効果を与えるものと期待されます。
日本の全体的な研究力、すなわち自然科学分野の論文数などが世界で低下傾向と言われています。特に引用論文数というファクターがあり、2022 年8月に発表された世界ランキングが前年の8位(10 位以下は二流国と言われている)から 12 位に低下し、さらに 2023 年は 13 位でした。このような状況でも日本ねじ研究協会では研究力と技術力の向上を目指して活発な活動と成果を上げ、日本ねじ工業協会との連携を図り、更なる発展を目指す所存です。皆様のご発展とご健勝を祈念すると共に、本年も当協会へのご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。