年頭所感
日本ねじ研究協会
会長 椿 省一郎
新年明けましておめでとうございます。
令和2年の年頭に当たり、ご挨拶を申し上げます。
顧みますと、昨年当会は創立50周年を迎え、その周年事業を通じて、設立当初からねじの生産者、需要者、学識者が集い、その知識・経験を結集して、ねじに関する技術的諸問題の研究、JISの原案作成や啓発・普及活動を通じて、ねじの互換性の確保、品質の向上、生産・使用・取引の合理化に大きく貢献し、ねじ産業基盤の構築に寄与したことを改めて認識した一年となりました。
また、社会的に認知された法人へと組織を変革し、次世代を担う者の参加を促し、産学官の一層の連携強化と活動の充実をはかり継続して発展するために、本年4月に任意団体から一般社団法人へとなるべく準備を進めました。
さらに、今秋50周年記念事業の一環として、10年ぶりにISO/TC2(締結用部品)関係会議を日本で開催することを決定し、その準備に取り掛かりました。
昨年7月、標準化行政にも変化がありました。1949年の制定以来、70年ぶりに工業標準化法(JIS法)が抜本的に改正され日本産業標準化法となりました。グローバル市場における競争力強化の観点から、サービス、データなど標準化の対象範囲の拡大と共に信頼性確保のための罰則強化も盛り込まれ、また、法目的に国際標準化の促進を盛り込むとともに、事業者等に産業標準化(JIS)又は国際標準化(ISO/IEC)に関する業務に従事する者への適切な処遇を求める等が法律に追加されました。
世界的に変革の潮流は、政治、経済、社会、軍事、環境などあらゆる面で渦巻いていて予断を許しませんが、当協会にとりましても変革の時を迎えています。
本年は、研究委員会、標準化委員会、出版委員会などの活動に加えて、一般社団法人の設立登記と法人組織への変革、そして新法人としての運営に取り組む当会に取りましては一大転換点に当たりますので、会員各位のご理解とご協力をお願いいたします。
また、2020年10月12日から16日まで、ISO/TC2関係会議を東京で開催しますので、関係各位のご支援ご協力のほど宜しくお願い申し上げますと共に、将来に向けて、若い世代の人々がこの貴重な活動に積極的に参加されることを期待しています。
最後になりましたが、皆様の益々のご健勝とご活躍を祈念して、新年の挨拶とさせて頂きます。